躙口(にじりぐち)の家

2016.06.22

鎌倉の散歩コースの途中に位置した住宅のリノベーション。
地域と回遊性を作るように、構えと動線を再構成した。

 

既存住宅内部の動線の最も奥のキッチンを移動し、「躙口(にじりぐち)」を開け、道路側の立面を開放した。道路、玄関からにじり口までの動線上に様々な天井を設え、躙口、デッキ、石垣と連続させ、また道路に戻るように回遊性を作った。

 

このようにすることで、施主が室内外の暮らしを楽しめるだけでなく、散歩コースを歩く人々にとってもこの場所が休憩場所としての働きも持つようになる。そして、住宅をただ開放するのではなく、動線を確保すると同時に居場所としての距離感を外と保つために「躙口」の高さは1500mmとしている。人が屈まないと入れない高さである。そして、開き戸としているのも大きく開け放つと、室内を延長するようにデッキをL字で囲うためである。

 

住宅や敷地という個人の領域を、地域へ御裾分けするような態度で取り組んだ結果である。

 

駐車場や小さな庭を持つ、80年代前後に建てられた住宅のリノベーションにおけるソーシャル・テクトニクスの実践である。

敷地:鎌倉
施工:月造
設計:ツバメアーキテクツ
竣工:2017

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