マイクロバスケットコート

マイホームではなくマイクロバスケットコート

施主は住宅地にマイホームではなく、地域の人が使えるマイクロバスケットコートを作ることを選択した。立ち方は住宅と自動車の関係を、そのままに、住宅サイズのバスケットコートのフレームとフードトラックに置き換えている。

箱ありき・与条件ありきではなく、熱い想いを持ったプレーヤーがまず存在し、その活動が持続していくための適正な規模や枠組みを施主や企画チームと議論を重ねながら設計をしていくプロセスであった。小さな公共(的)建築とも言えそうな趣だが、通常の施設建築の設計の順番とは逆であったように思える。

デザイン的には一見単なるアスファルトとフレーム建築のようにも見えるが、素材検討をする中でアスファルトだと音が大きく出たり、ドリブルの時に跳ねすぎると言った懸念があったために、ゴムチップ舗装とし、配色は都市に溶け込むようにしている。フレームは平屋よりは大きく2Fよりは小さい絶妙なスケールであることとバスケのプレイが充分にできる高さのバランスを検討した。

住宅地の日常の中に、人々の新たな振る舞いが突然出現してしまうことを考えると、デザインの引き際が非常に重要になると考えており、配色・スケール・素材の切り替えなどは慎重に検討している。

サイレントに、でもダイナミックに、という態度は、これからのタクティカルアーバニズムとして有効なのではないかと考えている。

所在地:宿河原
用途:バスケットコート・フードトラック
延床面積:80㎡

設計:ツバメアーキテクツ
構造:鉄骨
協力:株式会社 Yuinchu(運用・立ち上げサポート)
施工:スポーツテクノ和広

施主:ONE_THROW


写真:楠瀬 友将