下北線路街 SRR project space

まちの空間ストックを資源化するギャラリー

駅やまち中にアートを展開し、既存の空間ストックの活用を促す拠点としてのギャラリーの計画。ギャラリー棟と倉庫棟の2棟からなる。敷地はのはらに隣接し、急勾配を持つ道路に面する。日常の中に、美術と触れ合う機会を創出することが目的であるから、ギャラリー棟は間口一杯の開口を設け道路に面して配置し、展示の風景がまちに現れるようにした。また、床のレベルを掘り下げ、道を歩く人が内部を見渡せるようにしている。全面開口のために天井面に設けた水平ブレースと平行にルーバーを設け、展示の吊り金物や照明のガイドとして利用できるようにした。低く抑えたギャラリー棟に対して、大型物品を保管する背の高い倉庫棟がスケールの差を際立たせる。このスケールに合わせてショーウィンドウ型の展示室を計画し、美術作品がのはらの中に浮かび上がるようにした。2階はギャラリー運営者のためのSOHOであり、アーティスト・イン・レジデンスでの利用も検討している。オープン後、ここを拠点に神社など、まち中の空間を活かしたアートフェスが開催され、少しづつまちの風景が変わっていっている。

所在地:東京都世田谷区
用途:ギャラリー、倉庫+SOHO
規模:ギャラリー棟 木造 平屋
、倉庫棟 木造 2階建
延床面積:ギャラリー棟 44.09㎡、倉庫棟 73.75㎡
設計:千葉元生、西川日満里、山道拓人、藤本亮太/ツバメアーキテクツ
構造:オーノJAPAN
設備:EOSplus,ジーエヌ設備計画
外構:フォルク
施工:山菱工務店
施主:小田急電鉄株式会社
運営:スタートバーン株式会社
竣工:2022.03
写真:上2枚 morinakayasuaki
新建築社
掲載:新建築 2022年12月号