旬八青果店

まちとつながる八百屋

「不本意な食生活を送るすべての人に、豊かな食生活を。」をコンセプトに展開される旬八青果店の2号店の設計。

2号店は八百屋としての販売機能と、他店舗への配送・生産機能を兼ね備えた店舗として計画された。

これら二つの機能を成立させるために、正方形の平面を一枚の壁でおおよそ均等に仕切り売場空間と生産空間を分ける構成とした。さらに、それら二つの空間を行来する動線に沿うようにキッチンカウンターを壁に貫入させ、接客と調理が連続的に展開される空間としている。

これにより生まれた通常よりも懐の浅い売場空間は、通りのニッチとなり、気軽に入り込める場所をつくりだし、目の前にあるバス停からの人の流れと相まって街並の中に人々の活動が見える風景がつくりだされている。

 

今後も出店が展開されていく旬八青果店の計画を通して、豊かな食生活とともに豊かな都市風景をつくりだせれば、個々の小さな設計活動の反復が風景を変えるまちづくりへとつながっていくのではないかと感じている。

所在地:東京都目黒区中目黒
用途:八百屋/改装
延床面積:31㎡
設計:西川日満里、千葉元生、山道拓人/ツバメアーキテクツ
施工:月造
施主:株式会社アグリゲート
竣工:2013.11
写真:ツバメアーキテクツ