7つのテーブルがつながることで大きな一つの円になる「まる」いテーブルと、どこへでも持ち運べる「しかく」いキッチンを考えました。
SHIBAURA HOUSEを訪れた際、工作をしている子供、立ち話をしているお母さん、熱心に読書をする学生、打合せをするサラリーマン、など皆がのびのびと過ごしている様子が印象的でした。ちょうど光が差し込む時間帯だったこともあり、木々の間で各々の活動が行われる様子は、平日のオフィス街にも関わらず休日の公園にいるようです。
今回製作した2種類の家具は、人々の活動をサポートする役割を持ちます。
「まる」いテーブルは個々のテーブルが円弧を描く形をしています。バラバラに置いてもいいし、線路のようにその場所にあわせた繋げ方をしてもいいし、大きなひとつの円テーブルとして使ってもいい、人数や活動に応じていろいろな使い方を探せるようなつくりになっています。
「しかく」いキッチンはポータブルで小回りのきく大きさにするため、シンク、IH、作業台と機能別に3つに分割可能です。「食べる」ことは、誰もが共有できる行為であり、目の前でつくる様子が見えれば、その喜びはより深まります。持ち運びのできるキッチンとすることで、SHIBAURA HOUSE全体で、食べる、つくる行為が自然に行えると良いと考えました。また、3つに分割することで、一列に並べれば一人で料理しやすく、向かい合わせに繋げれば大勢で囲んで料理ができるようになっています。
公園にいるように人々がおおらかにふるまうSHIBAURA HOUSEで、これらの家具たちが様々な居場所を生むきっかけとなることを願っています。
所在地:東京都港区
用途:家具
設計:西川日満里、千葉元生、山道拓人/ツバメアーキテクツ
施工:ニュウファニチャーワークス
施主:SHIBAURA HOUSE
竣工:2016.5
写真:長谷川健太