ミナペルホネンの通販事業部配送センター兼オフィスのプロジェクト。将来的な物流の変化への対応と耐久性を考慮し、一般に流通するスチールラックを用いて必要な家具を製作した。スチールラックはダンボールや折畳みコンテナなどの輸送容器に合わせたスケールと材質でつくられている。
倉庫部分では既製品をそのまま使用し、机や梱包作業台、キッチンなど、人がメインで使う場所では、天板の素材を木に交換し、ラック内に仕切りや引き出しを入れ込み、人のスケールに寄せることと使い勝手の良さを考えた。
また、用途に合わせてラックの色味が変化する。スチールラック特有のグリーンがきれいだったため半数は既製色、もう半数は彩度や明度を変えたグリーンで塗装することで、支柱の重なりが木々の重なりのようにも見えると良いと考えた。
床のハッチングは、上下足のゾーニングを示し、配送業者の台車の動線に対応する。
既製品を一度分解し、必要に応じて手を加えながら組み立て直すことで
モノの空間と人の空間を繋ごうとする試みである。
所在地:東京都
用途:オフィス/改装
延床面積:157㎡
設計:西川日満里、千葉元生、山道拓人/ツバメアーキテクツ
サイン:minä perhonen
施工:TANK
施主:株式会社ミナ
竣工:2017.11
写真:中村絵