公開空地などにベンチを仕掛けていき期間限定で居場所としての公共的空間を設えていくプロジェクト。そのために移動式ベンチは二種類設計した。持ち運びしやすい「普通ベンチ」20台と、厚みや長さなどをそのまま二倍に拡大した「二倍ベンチ」をひとつ作った。
移動式のベンチというのは、配置を柔軟に変えることができ、都市空間の風景や機能を瞬時にチューニングすることができる。その時々の状況に合わせて、道沿いの木陰に連なる日常的な配置や、中心を作るような祝祭的な配置などを実験した。
2019年の実施だったが、コロナの状況下に遭遇していたら、それぞれのベンチの距離を離し、密度の下げた離散的な配置などを試すこともできるだろう。
公共的空間を設えるツールとして移動式のベンチというのはまだまだ可能性がありそうだ。
用途:家具
設計:企画:株式会社グランドレベル(田中元子+大西正紀)
設計:ツバメアーキテクツ
構造:オーノJAPAN(構造アドバイス)
施工:月造
施主:協賛:東京建物株式会社
主催:一般社団法人東京ビエンナーレ
竣工:2019
写真:森中康彰