隣接する診療所を営む事業者による、インクルーシブ保育を目指す保育園である。心身の障害の有無にかかわらず、すべてのこどもが共に過ごす保育を実現するため、事業者との対話を重ねる中で「障害に合わせて空間を規定する」のではなく、「多様な空間の中から主体的に環境を選択できること」を設計の軸とした。周囲の田園風景に馴染むスケールとするため、平屋二棟を雁行配置し、分節されたボリュームを幅2730mmのインナーテラスで緩やかにつなぐ構成としている。天井高や構造形式の異なる内部空間に、大小二つの庭、軒下やデッキによる半外部の中間領域を重ね合わせ、身体特性や感情に応じた多様な居場所を設えた。調理室をエントランス脇に開き、調理の気配が外部ににじみ出る構成とすることで食育や地域との関係性の醸成にも寄与している。周辺の雑木林を借景として取り込み、敷地を超えて回遊性を内包する、のびやかな保育の場を目指した。
所在地:つくば市
用途:保育所(児童発達支援施設・一時預かり施設)
規模:木造、平屋
延床面積:412.39m2
設計:西川日満里、千葉元生、山道拓人、櫻田康太、川田実可子/ツバメアーキテクツ
構造:円酒構造設計
設備:EOSplus
外構:ASOBIO
サイン:niyatto design
施工:柴木材店
施主:一般社団法人ファミリハクリエーション
竣工:2025.3
写真:中村 絵