秋田県の男鹿市にある鉄工所を、地域拠点スペースにリノベーションするプロジェクト。
クラフトサケ作りで知られる「稲とアガベ」と、日本各地でまちづくりを行う「NEWLOCAL」が立ち上げた「男鹿まち企画」の事業。
人口減少が進むエリアにおいて、生産する機能と、人々が集う機能を重ねることの可能性をためそうとしている。蒸留コーナーの余白に対し、さまざまな目的の人々が集えるようにすることがミッションであった。
蒸留所と地域拠点の機能を共存させつつ、日常時に目的の異なる人々同士がさまざまなモードや姿勢で集まれることと、イベント時に可変的につかえることを考えた。
具体的には地域の倉庫で数十年と眠っていた秋田杉のデッドストックによるビッグ衝立カウンター、クラフトサケ作りの過程で出る稲藁を混ぜた左官のピザコーナー、鉄工所時代の古い作業台、工場のスロープに対応する異常に長いアジャスターを持つロングテーブル、街角を照らす酵母菌形状の提灯などを分散的に配置している。
オープンして日が浅いが、都市部のプロジェクト以上に、日によって集まる人の種類の振れ幅が大きいことを実感している。この振れ幅に応えられる、生産性と界隈性を取り持つようなデザイン、その運営を下支えするデザインなどを引き続き検証していこうと考えている。
所在地:秋田県男鹿市
用途:飲食・蒸留所
設計:ツバメアーキテクツ(地域スペース)
小野琢也建築事務所(蒸留スペース)
協力:
コンセプト開発/クリエイティブディレクション:株式会社ニューピース
アートディレクション,デザイン:岡田友香梨(CYAN)
デザイン:伊藤健(Akzidenz)
施工:中央建装
施主:男鹿まち企画
竣工:2026
写真:eri kawamura