森の建具群 児童発達支援事業所

個性を生かす広葉樹のフレーム

児童発達支援事業所のインテリアデザイン。

 

求められた必要諸室をフロアに並べていくと、既存躯体の構成的にどうしても建具同士の距離が近接し反復してしまうことを逆手に取ることにした。さまざまな広葉樹の樹種を混ぜ、しかも材の耳(端部)を残し建具枠や建具を作ることで、個性的な輪郭や色が空間に飛び出してくる。

 

入口から近いところは木目が特徴的なセン、手洗い近くはホオノキ、相談室はクリ、訓練室はミズナラで部屋を切り替え、その先に出てくる窓なしの建具は薄めのウダイカンバ・ミズメ、そして窓がある建具は少し濃いカツラ・キハダと立ち現れる。

 

また相談室の中は、初めてこの場所に訪れた人が過ごす部屋でもある。壁面やテーブルは上記の枠材を切り出す際の端材を含む複数の樹種で構成している。

 

子供たちの個性に寄り添う児童発達支援事業所の枠組みともシンクロし、
手触りを作ろうとする試みである。

所在地:さいたま市
用途:児童発達支援事業所
延床面積:81㎡
設計:ツバメアーキテクツ
協力:建具枠製作:Hidakuma
施工:ルーヴィス
施主:株式会社 Lead Discovery
竣工:2024.12
写真:Eri Kawamura