みたらしタイル & みずたまりタイル

表情のデザイン

オリジナルタイルの開発プロジェクト。通常の製品では避けられる個体差や表情の違いを積極的に取り込んでいくようなデザインを考えた。開発した二種類のタイルは、ツバメアーキテクツの建築プロジェクトにおいて実際に活用されている。

 

「みたらしタイル」
釉薬の流れる模様が、偶発的な柄となるみたらしタイル。大きなタイルに対し釉薬を「流し掛け」か「ディップ」することで全体に模様をつけ、さらにそれをカットしていく、という工程から考えた。

 

模様の色や透明度、タイル素地(きじ)の種類による質感の違い、コーティングなど、掛け合わせで生まれたバリエーションは8種類。ツバメアーキテクツが企画・設計した下北沢のBONUS TRACKの隣地に建つHORA BUILDINGで用いられている。1階にドーナツ屋「洞洞(ほらほら)」のカウンターや、上階のツバメアーキテクツオフィスの水回りや外構などに貼られている。

 

「みずたまりタイル」
釉薬の奥行きをデザインに用いた、プレートとして使えるタイル。19世紀の英国タイルに見られる釉薬の濃淡表現から着想を得た。タイルの素地に傾斜をつけることで釉薬の深さに変化を生まれ、透明感のあるブルーがグラデーションとなる。

 

ツバメアーキテクツが設計した東京・浅草のごはん屋さん「梅と星」の炊き立ての羽釜ごはんと梅干しを引き立てるプレートとして納品した。

 

[工程の詳細はリンクの記事をご覧ください]

ツバメとつくるタイル 第一回
ツバメとつくるタイル 第二回
ツバメとつくるタイル 最終回
ツバメアーキテクツとつくるタイル──みたらしタイルとドーナツ
CONFORTチャンネル 『ツバメアーキテクツとつくるタイル』

用途:内外装タイル、プレート
設計:ツバメアーキテクツ
協力:LIXIL やきもの工房
竣工:2022
写真:みたらしタイル:梶原敏英
みずたまりタイル:神宮 巨樹
作業写真:提供 LIXIL やきもの工房