北向きに立つ保育園

北に開く

北向きに接道し、その他の三面は住宅に囲まれた敷地に立つ保育園。

 

南側はすぐアパートが迫っており、プライバシー的にどうにも窓が開けづらかった。また、そもそも保育園では日当たりの良い窓は直射日光を避けるために日常的には窓にはカーテンがかかってしまう傾向があるように感じていたので、北向きという条件を生かすことから考えた。ちょうど、北側のお向かいには、神社や屋敷の生き生きとした生垣や緑があった。

 

そこで今回は北側に1階2階をまたがる大きな窓を作ることでプライバシーを確保しつつも、向かいの緑や拡散光を取り込むということを目指した。階段も北側に配置し、階段室をホールのようにし、町と保育室の間の中間領域として位置付ける。それを南側の保育室よりも背を高くすることで南側へ小さなハイサイドライトあけ、太陽光を曲面にバウンスさせ、保育室にやわらかく取り込む。

 

保育室は上下階で役割を分け、1階は天高を抑えた0~2歳児のための落ち着いた空間、2階は天高が高くスパンの飛んだ3-5歳児がアクティブに使えるちょっとした体育館のような空間としている。階段室がまちとのバッファとしての光溜まりとなり、大きな窓は1階と2階と半階ズレた位置に取り付く。上下に一体感を作り出す中に、人や光、緑の変化を取り込む。

 

立て込んだ住宅地の北向き敷地という条件を生かしたプロトタイプとしての保育園となった。

所在地:埼玉県
用途:保育所
規模:木造二階建
延床面積:440㎡
設計:ツバメアーキテクツ
構造:木下洋介構造計画
設備:EOSplus
外構:en景観設計
サイン:氏デザイン
施工:山崎工務店
施主:社会福祉法人LEAD Care and Education Center
竣工:2024
写真:中村絵