cobacoのポップアップ

ポップアップを参勤交代に見立てる

ジュエリーブランドcobacoのポップアップのデザイン。

以前、cobacoの仕事場兼自宅である「神戸のアトリエ付き住居」を設計させていただいた。今回は二日間という期間のポップアップのプロジェクトである。

敷地となるスパイラルのファサード下の区画は日々利用者がいるために施工と撤収はほんの数時間で完遂しなくてはならない。そういった条件から神戸から参勤交代でやってくるジュエリーを乗せた籠(カゴ)のイメージを議論した。

まず会場にかかっている吊り天井に荷重を与えないように非常に軽いメッシュ素材のテキスタイルを吊り下げ、場を構成し、導線部分は籠のようにたくし上げた。

壁面什器は現場で組み立てるだけとした。壁からメッシュ越しに腕を伸ばすつくりとして浮遊感を与えた。

以前アトリエ設計時に作ったポップアップ用の移動式ジュエリー屋台は、今回も活躍した。

吊り天井が建築に対し平面的に角度が与えられていることから、スパイラル全体の動きの中に白い籠がスポッと置かれているように立ち現れた。たった2日間停泊した籠はまた神戸に戻っていった。

用途:ポップアップ
設計:ツバメアーキテクツ
協力:NBCメッシュテック
施工:ルーヴィス
石川製作所(中央 移動式ジュエリー屋台)
施主:cobaco
会期:2021.04
写真:長谷川健太