神戸のアトリエ付き住居House with Atelier in Kobe
2018.10.07
変化を受け入れる架構 新神戸駅からほど近い敷地に立つ、ジュエリー作家の自邸兼アトリエである。建主からは住まいの機能に加え、アトリエ、撮影スタジオ、馴染みの客と交流をする土間、資材を保管する倉庫などが求められた。 敷地のすぐ裏には、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880〜1964年)が1928年に建てた旧神戸ユニオン教会がある。連続した木架構が美しいこの建築は現在、老舗ベーカリーによって、カフェとして活用されている。変化を受け入れる、おおらかなあり方を参照し設計に着手した。竣工時に美しさのピークがあるのではなく、生活と共に育っていくような建築を目指した。 間口が狭く奥行きが長い不定形の敷地に対し、門型フレームを並べ、背後の旧神戸ユニオン教会に向かって末広がりになっていく内壁のない空間とし、カフェを訪れる人々にもこちらの存在を空間的に意識させるようなことを考えた。真壁納まりにしたのは、DIYの補助線としたり、光や影をとらえたり、さまざまな周期の変化を取り入れるためである。この架構に対してスラブを差し込んでいくことで場を構成し、そこに建主が家具を設えていく。 まず、奥行きいっぱいのスラブによって、1階と2階が分割される。1階は天井高さを4mとしたので、創作に没頭し、散らかしても天井が高いので気にならない。さらに1階奥にもう1枚スラブを入れ、半地下はデザイン作業をするアトリエ、中2階を撮影などを行うスタジオというように分割した。また2階の天井高さは低いところで2m、高いところで3mというように、迫った隣家と反対側へ雨を流すために片流れの屋根とし、3次元的に捻れた柔らかい空間とした。そこに非構造体である水回りのボックスが捻れる屋根を除けて据え付けられ、食べる場所と寝る場所を隔てている。また、外に飛び出た階段室はフライングバットレスのように架構を外から支え、ハイサイドライトをもつ仄暗い空間とした。ほとんど家で作業を続ける建主にとっての気持ちを切り替えるための空間でもある。 竣工から数カ月がたち、建主の暮らしが架構の存在感を凌駕しつつあり、たくましい。コロナ禍をものともせず淡々と生活を組み立てている。時間の経過と共に変化し、街に根付いた教会建築のようなあり方を目指した。 設計:ツバメアーキテクツ |
|
































































